Keiの感想帳

フリーランス翻訳者Keiです。日々、感じたことを書き留めていきます。

東儀秀樹×古澤巌 guest. coba @神戸文化大ホール

東儀秀樹のコンサートに行かない?」と友人に誘われ、笙や篳篥(ヒチリキ)の音色を一度、生で聴いてみるのもいいなぁと思って、行くことにしました。

921日当日、会場で受け取ったチケットを見ると、タイトルが「東儀秀樹×古澤巌 guest coba」となっているではありませんか。知らんかった。

てっきり東儀秀樹のソロコンサートだと思っていたので、この豪華な顔ぶれにますますワクワク。


古澤巌さんといえば、20年程前に行ったコンサートでそのクラシックの枠を越えたバイオリン演奏に感動したことがありました。
cobaさんも、デビュー当時にFMラジオから流れてきたそれまで聞いたことのないアコーデオンの曲に衝撃を受け、ファーストアルバム「シチリアの月の下で」を購入したことを思い出しました。

 
コンサートは東儀さんの篳篥による「Amazing grace」で始まりました。
篳篥の深い音色がなんとも美しい。

その後、古澤さん、cobaさんのソロ演奏、3人あるいは2人でのコラボ演奏で、曲目はポップス、映画音楽、クラシックとジャンルを超えて幅広くなじみのある曲が次々と披露されました。

また、途中、東儀さんと古澤さんが雅楽装束で現れて楽しませてくれました。
東儀さんの「これは平服です」や、古澤さんがなにげに宮中言葉になっていたのが笑えました。

三者三様の魅力に引き込まれた3時間。
ラストの数曲になると会場の拍手が鳴り止まないのも当然でした。

私が特に印象に残ったのは古澤さんのバイオリン演奏「ひばり」。
本物のひばりのさえずりかと思うような澄んだ高音と「超人的な指さばき」。とにかくすごかったです。


G・ディニーク 《ひばり》 - YouTube


メモ:
東儀さんとcobaさんのお話から面白いと思ったことを2つ書き留めておきます。

* 笙(右の写真の茶色い楽器)とアコーデオンは外観がまったく異なりますが、どちらもリードという薄い金属板を振動させて音を出す楽器で、ルーツは同じ中国の笙なんですね。

笙の起源は殷の時代紀元前1401年~前1122年)。

日本には1300年程前(奈良時代)にそのままの形で入ってきた一方で、西方に伝わった笙はハーモニカやアコーデオンなどの楽器に姿を変えたということでした。

アコーデオンには1000枚ものリードが入っているそうで、「だから重い」とcobaさん

* 東儀さんの篳篥(右の写真の黒い笛のような楽器)の演奏の中で、息継ぎなしに驚くほど長いトーンで吹き続けることがあるのですが、これは、「循環呼吸」という呼吸法を使った奏法とのこと。

鼻で空気を吸いながら同時に吐き続けて吹いているのだそうです。