ロバのクサツネと歩く日本

題名に惹かれて取り寄せた高田晃太郎さんのこの本、とても面白かったです。

元新聞記者の高田さんの文章がすっきりとしていて読みやすかったのも良かった。

ルートや地名もはっきりと書かれていたので、Google Mapのストリートビューを見ては、こんな山奥の道路を相棒のクサツネと歩いていたんだと驚きました。

人ひとりでの放浪の旅と比べると、ロバ連れの旅は、いろいろな制約があり、危険なことも多く、人の迷惑にならないようにと神経も使うだろうし、とても過酷だと想像できます。

それでも、高田さんが飄々としていて、たくさんの人が通りがかりに声をかけてくれたり、手を貸してくれる、それが救い。そして、クサツネを見るとみんな笑顔になるんですって。(そうだろ、そうだろ。私だってそうなるわ。近づいていって挨拶するわ。)

旅の途中で高田さんはこう書いています。「私は旅を通してなにか達成感を得たいとか、充実した時間を過ごしたいとか、そういった欲望からはきれいに解放されている。それが心地よくてひたすら歩き続けているのかもしれない」

一方、クサツネはというと、草をお腹いっぱい食べて、歩いて、時には草の上で寝っ転がって気持ちよさそうにしていたりと、ただただ愛くるしい。旅を始める前は痩せ気味だったロバが、1年後には筋肉がつき、毛艶も良くなり、たくましいロバになったそうです。

高田さんは、現在、北海道でクサツネと暮らしながら塩を作り、クサツネを連れて行商の旅に出ているらしい。

旅というより冒険をしているみたいですね。そして自身の経験を本にするノンフィクションライター。

あぁ、楽しかった。この本はキープしておきたい一冊になりました。