家族って

中野量太監督の映画「兄を持ち運べるサイズに」を見てきました。

原作は翻訳家・エッセイストの村井理子さんの「兄の終い」。

私は村井理子さんのエッセイのファンで、もともとは、10年以上前にTwitter(今の「X」)での村井さんのつぶやきがとても面白くてフォローしたことから始まり、今もネットや新聞誌上でエッセイが公開されると必ず読んでいます。

主にご家族(愛犬も含めて)のことを書かれているのですが、深刻な出来事であっても重くなり過ぎず、軽くなり過ぎず、ちょうどいい塩梅(あんばい)の文章で、その中に村井さん独特の表現が出てきて思わず笑ってしまうことも多いです。

この映画も、原作の雰囲気そのままでした。オダギリジョーさん演じるダメ「兄」「元夫」「父」が亡くなって、「妹」「元妻」「娘」「息子」が「終い」を淡々と進めていく4日間で、それぞれが「兄」「元夫」「父」に対する気持ちを整理していきます。見てるこちらも癒やされていきました。

私自身、昨年、両親を相次いで亡くし、時間が経っても父、母とのいろいろな場面がふと浮かんでは自分の気持ちを整理する日々を送っているので、共感するところがありました。

家族の形もいろいろあるだろうし、家族の中でも親子で考え方も違うし、親が子に対する、あるいは、子が親に対する愛情の度合いなども違うんですよね、きっと。きつい言葉を言ったり、言われたり、お互い理解できないこともたくさんあります。

それでも、相手が亡くなってしまうと、そうしたネガティブな感情は、無くなるとは言えませんが、すーっとおさまっていって、残るのは自分の想いだけ。家族ってそういうものなのかな、と思います。

生前は一緒に暮らしていませんでしたが、今は、本棚の上に飾っている両親の写真に向かって「おはよう」「行って来ます」「ただいま」と言っています。今の方が、よりそばにいてくれているような気がしています。