ターナー展@神戸市立博物館
英国の風景画家ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)の展覧会に行ってきました。
ロンドンのテート美術館のコレクションから113点が展示されています。
天性の画才を持っていたことがよくわかる10代半ばの水彩画や鉛筆画から、森、海、空が印象的な油彩画の大作、そして晩年の「もやがかった大気の中に物の輪郭が溶けていくような」画風の作品まで見ごたえがありました。
私は晩年の光を表現した柔らかい色彩の作品がとても好きです。
特に、この「ヴェネツィア、月の出」。
他に、詩集のための挿絵や、旅をしながら小さなスケッチブックに描いた風景画も必見。
さらに愛用の絵の具箱も興味深いものでした。豚の膀胱から作られた絵の具用の小袋や、小瓶、パレットなど、実際にこれらをターナーが手にしていたことを想像するとちょっとワクワクしました。
ところで、私がターナー展の開催を知ったときにまず頭に浮かんだのが、山下達郎の「ターナーの汽罐車」という曲でした。
「虹色のシャンペンを かたむける君の見つめる絵はターナー おぼろげな汽罐車が走る 音も立てずに」
昔から好きでよく口ずさんでいましたが、その「ターナーの汽罐車の絵」がどういうものかはずっと知りませんでした。
今回の展覧会ではこの作品は展示されていませんが、ネットで調べてみると・・・ありました。これだったんですね。
「Rain, Steam and Speed - The Great Western Railway (雨、蒸気、速度-グレート・ウェスタン鉄道)」(1844年)
私の頭の中でお気に入りの山下達郎の曲とターナーの絵が重なり合って、感慨ひとしお。
「ターナー展」は4月6日(土)まで。