Keiの感想帳

フリーランス翻訳者Keiです。日々、感じたことを書き留めていきます。

「使いきる。」

立ち寄った書店で手に取った本。有元葉子さんの「使いきる。」

断捨離や整理収納術に関する本やテレビ番組はよく見るのですが、なかなか実践できていないのが現実。
 
この本は、有元葉子さんの長年の試行錯誤の結果としての方法や日常使っているアイテムが素敵な写真とともに紹介されています。
 
有元さんの整理術はとてもシンプルで説得力があります。

自分よりはるかに多くの経験を積んだ目の肥えた人生の先輩からバシッと「答え」を教えてもらっているような気分になります。

汚れや、物や、そして心の中にも「よけいなものはためない」、入れたものがスムーズに流れ、循環していることが快適である、と。

ふきんは木綿の「和太布」と「びわこ」、さらし・・、リネンのミトン、食器、水切りかご、籠類、アイロン台、そして長野の道の駅で100円で買ったというほうきに至るまで、気に入ったものは何十年も使っている。
マニキュアは一本だけ、Tシャツやセーターは定番のシルエットの色違いをクローゼットに収まる分だけ持つ。
住まいの洗剤は「SWIPE」だけ、用途に合わせての濃度を変えて使う。
一度に鰹節一袋分のだしをとって冷凍・・・

なるほど~。

そして、自分自身の持ち物を見直すと、バラバラ~。
衝動買いしてほとんど着ていない服や、使っていないマニキュアや口紅が複数本。

大切なことは、自分にとって本当に必要な物を選び抜くこと。

選ぶ基準は値段やブランドではなく、あくまでも”自分”。自分にとって日常的に使い勝手がいいもの、自分の好みに合った飽きのこないもの。

そう言えば、56年前に買った大原照子さんの「55m2の暮らし替え~スローライフの舞台作り~」という本もたしか同じような類の本だったことを思い出しました。
 
活動的で忙しさを楽しむような生活を送ってきた大原さんが75歳を過ぎて体力の衰えを感じたのをきっかけに、がらりと生活を変えようと思い、100歳になってもおしゃれで、元気で、愉快に暮らせるようにとリフォームした自宅が紹介されています。
 
こちらも家具や食器などの一点一点に無駄がない、大原さんにとっての究極の住まい。

お二人とも自分が何を選ぶべきか、それをどう使うべきかがはっきりしている。
そして、潔い。必要でないものは買わない、手放すということ。
 
簡単にできることではありませんが、せめて今から意識することから始めてみようと思いました。

年を重ねるにつれて、シンプルに、身軽に、生きていきたいから。